日経平均、7か月ぶりの一時2万9000円の大台を回復

日経平均が7か月ぶりの一時2万9000円の大台を回復したと発表されました。
このことについて整理していきたいと思います。

米連邦準備制度理事会(FRB)は今週、政策金利であるFFレートの誘導目標水準を現行の0.50%に据え置くことを決めた。これを受けて市場では利上げペースが鈍化するとの見方が広がり、ドルやユーロなど主要通貨に対して長期債を中心とした買い戻しが進んだ。特に先物市場に大量の資金が流入した。
ただ、この動きに関しては注意しておくべき点がある。それは、FRBの発言内容ではなく、それを受けてどう動くかという点に注目しなければならないということだ。

FRBは昨年12月にバランスシートの規模を大幅に縮小したばかりだ。今後もバランスシートを維持するかどうかは不透明な状況だ。これまでFRBのバランスシート拡大により、米国の財政規律は大きく緩んでいたわけだが、そのツケを払う時が来たともいえよう。
筆者は日本企業の財務戦略に関する書籍の執筆を依頼されているのだが、その際、常に頭の中で考えていることがある。日本の金融機関における自己資本比率の考え方についてだ。

一般的に銀行の自己資本比率とは、当座預金残高のうち貸出金の割合を指す場合が多い。これはつまり、貸出金を担保として預かっているということに過ぎない。では、なぜ銀行が多額の現金を保有していなくてはならないかというと、これは将来の信用創造に備えるためだ。そして、この信用創造こそが日本の経済成長を支えていた部分でもあった。

ところが、リーマンショック以降、日本では国債の発行額を上回るペースで民間の投資が減少したため、結果として民間に資金が流れないという状況に陥った。そこで政府は成長のための原資を確保するべく、日本銀行を通じて大規模な量的緩和策を実施した。これによって一時的には国内需要の拡大が見られ、GDPの成長率も上昇したものの、結局は一時的な効果に留まった。

これはなぜか? 答えは非常に簡単で、デフレ脱却に必要なほどの資金供給を行っていなかったからだ。しかし、当時の財務省および日銀はそれに気づかなかった。なぜなら、彼らは金融緩和によってインフレを引き起こすことで、日本経済が成長すると考えていたからである。

ここで重要なことは、仮に中央銀行が金融引き締めに転じたとしても、それによって生じるマイナスの影響は短期的にしか発生しないということである。インフレ率が2%程度であれば、むしろ物価上昇に伴う所得増分の方が大きいのだ。これは、政府が意図的にインフレターゲットを設定して政策実行することで、政府と民間企業の資産価値が上昇し、結果的に税収が増えることに繋がることを意味する。

一方、増税は政府・与党にとって大きな負担となるため、国民の支持を失うリスクを伴う。また、景気刺激策としては、減税よりも消費税率引き上げなどの方が大きく効くことが多い。さらに言えば、日銀の金融政策決定会合は衆議院の解散総選挙の後まで延期される可能性が高い。よって、今回のFRBによるバランスシート維持の可能性を考えるならば、少なくとも来年6月までは米国経済の回復力が続くと考えるべきだろう。

そうなると、次の問題になるのは日本の金利動向だ。現在、日銀が実施しているような超低金利状態が長く続く可能性は低いだろう。つまり、いずれ日本にもインフレ圧力が高まる局面が訪れるはずだ。その時、日本の政策当局は何をすべきだろうか。

デフレから脱却するための手段

まず考えられるのは、デフレから脱却するための手段だ。これについては、やはり金融緩和が最も効果的であろう。ただし、現在の日本のようにゼロ金利に近い環境下では効果が薄い可能性がある。また、今後、中長期的な視点で考えると、円安基調が強まることが想定されるため、為替差損が生じてしまう可能性も高い。そこで、円高のリスクヘッジのために海外投資家が買いやすいように国内の不動産価格を引き上げるというのはどうかと思う。

例えば、東京都心部や大阪中心部の土地価格はここ数年にわたって上がり続けている。特に銀座周辺などはバブル期の8倍近くになっているほどだ。ただ、地価が上がるということは、それだけ土地の需要が増えているということになる。実際、首都圏の人口は増加し続けており、今後はますます地価が上昇する可能性もある。そう考えれば、今のうちに買っておいてもいいのではないか。もちろん、値下がりするリスクもあるわけだが……。

ただ、こうした手法をとる場合、一つだけ問題がある。それは土地の転売が難しいということだ。なぜならば、日本には固定資産税制度があり、土地の売買には一定の税金がかかるからだ。筆者が個人的に思うのは、こうした制度自体を見直す必要があるのではないかということだ。なぜなら、地方への移住を促進するためには、売却益に課税するのではなく、賃貸収入に対する課税に切り替えるべきなのだ。つまり、将来にわたって居住し続ける意思のある者に対してのみ、高額な家賃を支払うという形にすればいいのである。これは住宅ローンの利子と同じような考え方だ。

この方法なら、相続対策にもなるし、地方の過疎化防止の一助となるはずである。また、都内でも地価が上がり続けるという保証はないわけだから、もし下がった場合でも、すぐに売ることができるメリットがある。
次に考えられるのは、年金基金の運用割合の見直しだ。これまで公的年金制度では運用利回りを高めるために株式の割合を高めていた。しかし、それはあまりにもハイリスクな行為だといえるだろう。
というのも、日本の市場参加者の多くは高齢者であり、しかも金融リテラシーが低い。そのため、企業業績が悪化したり株価が下落したりしても、それを敏感に察知しにくい傾向がある。その結果、株を売ってしまう確率が非常に高くなるのだ。
確かに、個人レベルで見ると、年金という仕組み自体は必要だと思う。だが、現状では、その価値が十分に上がっていない。なので、それを補うための手段として、民間の投資ファンドを活用するべきではないかと考えている。
具体的には、日本企業の社債を買い集めることだ。これは主に海外の機関投資家が行う場合が多いのだが、これを日本の年金基金が行えばよい。こうすることで、日本の市場に資金が流れやすくなると同時に、万が一の時にも安心できる。
また、国債についても、日銀が直接引き受けるのではなく、民間金融機関に対して購入を促すべきだ。今の日銀は国債保有額の7割を民間が持っているため、これが増えれば増えるほど、市中に資金が回る。つまり、景気回復効果が期待できるようになる。

最後に挙げられるのが、国内投資だ。これは外国人が日本で投資することを指す。実はこれが最も重要だと思っている。
前述のように、日本の現在の状況を考えると、長期的には円安が進む可能性が高い。すると、海外からの投資資金は増え、結果として国内に資金が還流することになる。これは、国内経済活性化のための有効な手段の一つである。
現在、日本の国内投資と言えば、主に不動産投資のことを指す場合が多い。しかし、筆者はもっと幅広く投資を行うことが必要だと考える。

 

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