70歳定年法ができて、70歳まで働くことが普通になる流れができてきています。
昔は55歳が定年だったのが、60歳になり、そして嘱託なので65歳になり、ついに70歳という話まで出てしまいました。
70歳という年齢まで働くことは本当に幸せな事なのか、必要なことなのかということについて疑問を感じてしまうところはあります。
人生100年時代になり残りの期間が長いので簡単にリタイアできないと言わな事情もあるのでしょう。でも中には70歳代までしか生きない人もいるわけで、そうすると最後まで働き続けなければいけないということになってしまいます。
働くといっても全員が嫌な仕事をしているわけではなく好きな仕事をしていつまでも働いていたいというような希望を持つ人もいますのでその人にとっては定年が伸びるということ素晴らしいことなのかもしれません。
ただなかなか全ての人が仕事が好きというわけでもなく生活のために嫌々働いてる人にとっては定年が伸びるということは地獄になってしまうでしょう。
定年が伸びるということは結局のところ年金をもらって生活する時間が短くなるということになり、今までであれば丁寧になって後はゆっくりと年金をもらいながら生活できたのがいつまでも働き続けなければいけなくなるということにもなってしまいます。
本当に適した仕事があるのかという問題
別に働くのは何歳でもいいと思うのですが本当にその人に適した仕事があるのかというような問題もあります。健康寿命が伸び続ければ可能なのかもしれませんが実際のところ50代であっても個人差がありますが能力が衰えてくるということは十分にあります。この辺りの個人差は本当に大きいもので60歳くらいで企業の重鎮として重要な仕事ができるような人もいればもう本当に定年を待つだけのある意味どうしようもない人というのもいるわけです。
一律70歳まで定年が伸びたときに、中にはまだ現役をして働いているにも関わらず思考力が衰えて全く仕事して使い物にならなかってしまう、社内でも与える仕事もない窓際社員の状態となり、ただお金だけを垂れ流すような状態になってしまう、そんなことが起こるリスクもあるのではないでしょうか。
これからの日本に必要なのは定年を延長させてより働くというようなことではなく解雇規制を撤廃して、簡単に解雇になるけれども転職も簡単になるというような雇用流動化が必要なのではないかとも思うのです。
一度雇った人がひたすら定年までいなければいけないとなってしまうと、雇う方も慎重になってしまい、余計に人を雇われないような状態になってしまうのでしょうか。
そして誰でも出来るような単純労働に関してはどんどんIT化が進み続けロボットでも対応できるような時代がやってきます。この数年というところは無理だとしても、今から20年後ぐらいになってくるとそこまでおかしいことではなくなっているでしょう。
このようになった時に、果たして定年を伸ばすことが本当に多くの人にとって幸せなことなのかというのは疑問を感じてしまいます。
どうしても年金が枯渇してしまうのでやらざるを得ないというところもあるのだと思いますが、あまり安易な定年延長ではなくもう少し別の案を考えなければいけないところもあるのではないでしょうか。